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Photography - HIRO 
Text - MINA


Photography - HIRO 
Text - MINA

”Burrowing Owlの様々な場所にユニークなストーリーがあります。ゲストに快適で思い出深い体験をしてもらいながら、私たちワイナリーを身近で特別なものに感じてもらえたら嬉しいです”​

- Stephen Neumann 

Burrowing Owl Estate Winery

Stephen Neumann,

Brand Ambassador

Credits

Photography - HIRO 
Interview - MINA

 

ワイン愛好家の中で、カナダOkanagan地方OliverにあるBurrowing Owl Estate Winery(バローイング・アウル・エステート・ワイナリー)のことを知らない人はいないでしょう。なだらかなで壮大な葡萄畑の丘の上、周りの美しい景色に溶け込むように佇むワイナリーを目にすると、どこか温かい懐かしみを感じます。

敷地内には、ファインダイニングが楽しめるThe Sonora Room Restaurant、25メートルのスイミングプール、更にそれを囲うように10部屋のゲストハウスがあり感動的なワインカントリーバカンスを満喫できます。併設するワインショップには数々の受賞歴あるワインを取り揃え、それをお目当てに世界中のワイン愛好家がテイスティングにやって来ます。

Burrowing Owlの魅力は国際的に評価の高いワインと素晴らしい施設に留まりません。彼らの魅力は、微笑ましいファミリービジネスである事と、きめ細やかな部分まで環境に配慮したワイン作りを実践しているからではないでしょうか。25年前の創業以来Burrowing Owl Estate Wineryは、絶大な人気を誇るワイナリーとしてあり続けています。

ワインビジネスを始めた当時、驚くことに、創業者であるJim Wyse(ジム・ワイズ)はノースバンクーバーの元土木技師で、妻のMidge(ミッジ)共に既に50代半ば、ワイン作りの経験は一切ありませんでした。しかしワインに無経験なことはものともせず、彼らはワイン業界のスペシャリストやエクスパートをチームに招き入れ、Burrowing Owl Estate Wineryを世界基準のワインへと成長させました。そもそも1993年、購入した荒れ果てた葡萄畑をヨーロッパ品種の葡萄に植え替え始めた目的は、収穫した葡萄を他のワイナリーに売ることでした。しかし彼らの葡萄から作られたワインが次々に反響を呼び、自分たちもワイナリーを始めてみようと決心、Burrowing Owl Estate Wineryの歴史はスタートしました。そして初めてのビンテージが生産された1997年翌年にはワイナリーがオープン。それ以降、誰もが知るワイン一家としてWyseファミリーの歴史が始まりました。

Burrowing Owl Estate Wineryという名前には、ジムとミッジのこの土地への愛情と環境への配慮が込められています。彼らの葡萄畑周辺は絶滅危惧種に指定されているBurrowing Owl(穴掘りフクロウ)の繁殖地でした。そのことを知った彼らは自分たちのワイナリーとワインを通して、この危機に晒されているフクロウの保護と人々の関心を高めようと、敢えて鳥の名前をワイナリーの名前にしたのです。またフクロウに限らず、その周辺を取り巻く自然環境をしっかり維持していくために、創設当初から環境に配慮した持続可能な農作方法など地道な取り組みを続けています。

実際、Burrowing Owl Estate Wineryを訪れると、彼らが25年紡いで来たきめ細やかな愛あるストーリーが至る所に散りばめられています。そして彼らの隠れた魅力をもっと知りたければ、ブランドアンバサダー・Stephen Neumann(スティーブン・ニューマン) とのセミプライベートツアーを強くお勧めします。ツアー後にワインテイスティング、食事、そして宿泊するとあなたのBurrowing Owl Estate Winery体験をスペシャルなものにしてくれるだけでなく、この家族経営のワイナリーと素晴らしいワインに恋に落ちること間違いないでしょう。Stephenから聞いた愛らしいBurrowing OwlのストーリーをVOICEで幾つか紹介したいと思います。

VOICE (V):「Burrowing Owl Estate Winery」の名前の由来は何ですか?」

 

スティーブン(S):「Burrowing Owl = バローイング・アウル(穴掘りフクロウ)」という名前の背後には、非常に心温まるストーリがあります。ジムとミッジは以前から鳥愛好家であり自然愛好家でもありました。1980年代後半から1990年代初頭にかけて、Burrowing Owlはこの州全体でわずか16羽しか残っておらず、オカナガン地方はこの鳥にとって巣作りの場所でした。ジムとミッジが葡萄畑を購入した際、彼らはこの鳥についてもっと学びたいと思いました。そこで、彼らはスタンリーパーク動物園の当時のディレクターで、Burrowing Owlの長期的保護計画を先導していたマイク・マッキントッシュ氏に連絡を取りました。ジムとミッジはバンクーバーまでマイクを訪ね、彼が飼育する可愛らしいフクロウ達に出会った瞬間一目惚れ。その後彼らはオカナガンに戻り、Burrowing Owlの保護事業をボランティアとして積極的に参加し始めました。

その結果、Burrowing Owlに敬意を表す意味を込めワイナリーの名前を「Burrowing Owl Estate Winery」と命名しました。その後、彼らのワインを提供することとワイナリーに多くゲストを迎えることで絶滅危惧種の鳥への知識と保護促進に繋がると考え、2004年ワイナリーで支払われる5ドルのテイスティング料金を全額保護事業に寄付することにしました。今日まで160万ドル以上を集め、ブリティッシュコロンビア州の「バローイング・アウル保護協会(BOCS)」の主要な資金提供者となりました。彼らの献身により協会は州内に3つの繁殖センターを設立、良い年には、80から100羽のBurrowing Owlを野生に還しています。この組織の影響は国境を跨ぎ広がりをみせ、隣接するアメリカ合衆国の人々とも強力な協力体制を築き始めています。彼らのBurrowing Owlの保護活動は、北アメリカ全体に広がりポシティブな影響を与えています。

 

V : Burrowing Owl Estate Wineryの特徴は何だと思われますか?

 

S:地理的に、私たちの葡萄畑はブラックセージベンチと言う谷の東側に位置しており長い日照時間を保証しています。さらに葡萄畑の背後にはサンロックマウンテンがあり、この山は自然のスポンジとして熱を吸収、一日中集めた太陽の熱を葡萄畑に放出しています。さらに深さ200フィートの速排水性の砂の層があり、これらの地理的条件が相まって優れたぶどう作りの基盤を作っています。

ビジネスの観点から見るとBurrowing Owl Estate Wineryは結びつきの強い家族経営の事業でありジムとミッジがその中心にいます。彼らには3人の子供がいて、息子のクリス・ワイズが今ワイナリーの社長を引き継いでいます。娘のケリー・マクノルティは副社長を務めながらマーケティングチームを率いています。夏には孫たちも家族の一員としてワイナリー事業に参加、家族の結びつきを更に深めています。

ジムとミッジは80代になった今でも、ワイナリーのさまざまな側面に深く関与しています。ミッジはゲストハウスの受付デスクで一日中働いていることさえあります。info@burrowingowl.ca にお問い合わせいただければ、彼女が質問に対し直接回答してくれるかもしれません。ジムはしばしばワイナリー周辺で何かをいじっては修理しています。彼はコミュニティ活動に熱心で、先ほどお伝えした「バローイング・アウル保護協会(BOCS)」や「ザ・ネイチャートラスト・オブ・BC」の理事会メンバーを務めています。彼らの慈善活動への情熱とワイナリーへの継続的な取り組みには、いつも感銘を受けます。

 

V:Burrowing Owl Estate Wineryの代表作である赤ワインはどのようにして生まれたのですか?

 

S: 土地購入直後、ジムとミッジは、リチャード・クリーブやロバート・ゴルツを含む著名なワイン専門家チームを結成し、この特別な環境がどのぶどう品種に対して最適か、あらゆる可能性をリサーチしました。今日生産している私たちのワインは、これら専門家の知恵と洞察力の積み重ねで、葡萄畑で育まれる多彩な味を生み出しています。

ワイナリーの建設には、土木工学者であったジムの知識を活かしたプロジェクトとなりました。建築がスタートする前には、オカナガン、ワシントン、オレゴン、カリフォルニアを横断する旅に出て、さまざまなワイナリーやぶどう農園を訪ね、自分たちに何が創造できるかについてインスピレーションとアイデアを収集しました。各訪問先では、各ワインメーカーに同じ質問をすることを忘れませんでした。それは、「もし新たにワイナリーを作るとしたら、何を変えたいですか?」と言う質問でした。ジムはこの旅から革新的なコンセプトを持ち帰り、その多くをワイナリーデザインに取り入れました。

彼が特に共鳴したコンセプトの1つは、自然流下方式と言うアイデアでした。このアプローチでは、重力を利用してぶどうを上から優しく発酵タンクに直接落とし込むことで、ポンプの使用を最小限に抑える方法です。結果、果実の繊細な特性を保持することができ、ワインの品質をより豊かにしてくれます。

ワイン造りの手法は、ナパバレーから有名なワインメーカー兼コンサルタントであるビル・ダイアー氏に指導を仰ぎました。その理由は、ある時偶然にもビルがナパより北へ進出し、ナパバレー以外のワイン製造の機会を探しているという記事を目にしたからです。これを運命と感じたジムはビルに即連絡を取り、自分たちのワイナリーの最初のワインコンサルタントになるよう説得しました。こうしてビルはBurrowing Owl Estate Wineryの初代ワインメーカーとして、フランスの伝統的なワイン製造技術と、地域のぶどうの特性を活かした独自のスタイル確立するために重要な役割を果たしてくれました。ビルの専門的な指導によって、Burrowing Owl Estate Winery初期7年のヴィンテージが生まれ、今も続く卓越したワイン作りの基盤を築きました。

 

V:Burrowing Owl Estate Wineryの現在のワインメーカーはどなたですか?

 

S:ケント・マクドナルド氏が現在のワインメーカーですが、Burrowing Owl Estate Wineryは一人のワインメーカーによって定義されるワイナリーではありません。私たちは共同のワイン製造チームとして運営を行っています。2021年には近隣のワイルドグースと言うワイナリーを買収しましたが、今そこのワインメーカーは私たちチームの重要な一員となっています。さらに国内外のコンサルタントとも協力し彼らの独自の視点と専門知識を得ることもあります。収穫期には、私たちのワイナリーは学びと交流の中心地ともなります。世界中から多様なインターンを受け入れ、彼らにワイン製造の経験を提供しています。

 

V:ワイナリーで実践されている主なサステイナブルな取り組みをいくつか教えていただけますか?

 

S:サステイナビリティは私たちワイナリーの中核であり、環境保護に関連する多くのストーリーがあります。Burrowing Owlの保護活動もそうですが、創立当初からジムとミッジは環境への影響を最小限に抑えるこに取り組んできています。その一つに農薬の必要性を減らす目的で統合的に害虫管理システムを導入しています。興味深いアプローチの一つは、葡萄畑の列の交互に意図的に長く雑草を育て放置することです。これにより、有害な昆虫の天敵であるクモの生態系を促進します。川沿いにはコウモリの保育所を設立し、葡萄畑全体には100軒のブルーバード(ルリツグミ)の巣箱を配置しています。これらの鳥は、ぶどうに脅威となる昆虫を餌とし虫の繁殖を抑える手助けをしてくれます。農薬への依存を減らすことで、私たちは自然と調和しながら葡萄畑を管理しています。

私たちのぶどうには公式の有機認証はありませんが、実際私たちのサステイナビリティへの取り組みはオーガニックラベルを超えたものだと思っています。私たちはグリーン・ワイナリーの先駆者であり、それをとても誇りに思っています。

 

V:ワイナリー周辺には多くの太陽光パネルが見られますよね。グリーン・ワイナリーの取り組みについてさらに詳しくお聞かせ下さい。

 

S:私たちは運営のあらゆる側面にグリーンへの取り組みを行っています。2017年には、ワイナリー、駐車場、ゲストハウスのペントハウススイートなど、さまざまな場所に太陽光発電システムを導入しました。駐車場のパネルはバイフェイシャルデザインと言って、上下からエネルギーを収集できます。特筆すべきは、ペントハウススイートとレストランの上にあるパネルで、ゲストハウス、オフィス、ワインショップの空間に必要なすべての温水を提供する重要な役割を果たしています。また別の場所にあるスタッフハウジングや温度管理倉庫にも太陽光パネルを設置しており、ネット・ゼロ・エネルギーを実現しています。

環境責任に対する取り組みはさらに深く、ワイナリーの暖房と冷却の多くに地熱技術を活用しています。またゲストハウスのプールには興味深いストーリーがあります。1998年ワイナリー建設中、安全検査官が防火のための貯水池の必要性を指摘しましたが、その際土木工学者としてのジムは素晴らしいアイデアを思いつきました。それは25メートルプールを建設するというアイデアで、プール、防火のための貯水池、太陽光パネルで生じる余分な熱水の冷却用のヒートシンク、3つの用途を兼ね備えています。プールの設置はゲストハウスが建設されるずっと前の防火対策の措置でしたが、今ゲストにとって葡萄畑の壮大な景色を眺めながらリフレッシュ出来る素晴らしい施設となっています。

私たちはサステイナビリティとグリーンへの取り組みながら、大小関わらず様々な課題やディティールにもこだわりを持っています。たとえば建物に使用される木材は近くの山から再利用され環境への影響を減少させ、バルコニーの手すりにも意味があってBurrowing Owlの目のモチーフが象られています。ゲストスイートベッド両側には柔らかいマットを敷き寝起きの床の冷たさを軽減させる気遣いなど様々なこだわりが散りばめられています。このような要素が私たちのワイナリーを特別なものにしていると感じています。

 

V:Burrowing Owl Estate Wineryで働くにあたり、個人的に思い出深い経験を教えていただけますか?

 

S: 2018年、私はナパバレーのOpus Oneでの経験と、Napa Valley Wine AcademyCulinary Institute of Americaでのトレーニングを経てオカナガンバレーに移りました。最初の冬、物事のペースがゆっくりになるにつれて、私はワインライブラリーを再編成するプロジェクトに着手しました。2019年のヴィンテージに至るまでのこれまで生産されたすべてのワインを1ケース分、年代順とアルファベット順に整理しました。このワインライブラリーは、私たちのワイン製造のタイムラインを実に魅力的な形で披露しています。

そんな折、家族経営ワイナリーの本質が輝く瞬間がありました。このワインライブラリーの部屋にアクセスするには会計士が持つたった1つの鍵しかありませんでした。私はこの美しいスペースを他の人と共有したいという願い、鍵のコピーを依頼したんです。最初に許可を得るためにワイズ家の娘であるケリーに頼みました。彼女は私のリクエストを彼女の兄、クリスに伝え、彼は父のジムに聞いた方が良いと勧め、最終的に、ジムは最終許可を与えるためにミッジに相談してくれとなりました。この承認の連鎖は、家族経営のワイナリーの本質を象徴しており、各メンバーが重要な役割を果たす中で、意思決定が共同で行われることを示しています。ワイナリーの規模と名声が増すにつれて忘れがちな事実ですが、ファミリービジネスの精神は揺るぎません。ワイズ家のコミットメントは、物事が適切な方法とタイミングで行われることを保証し、将来の世代のための道を切り開き続けています。

 

V:現在お気に入りのワインは何ですか?

 

S:当ワイナリーのシラーは大好きなワインの一つです。時間とともに変化し柔らかくなる様子を常に楽しんでいます。最初にリリースされたときは、驚くほど寛大で豊かなフルーティーな風味を持っていました。その後熟成を重ね、風味ある魅力的なワインへと進化し続けています。

 

V:ワイナリーでの仕事の最大の喜びは何ですか?

 

S:ワイナリーで多様な人々と出会い、彼らの魅力的なストーリーを聞くことです。本当に素晴らしい経験になっています。

 

 

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Burrowing Owl Estate Winery

Stephen Neumann, Brand Ambassador

Burrowing Owl Estate Winery is the award-winning producer of wines in Oliver, British Columbia.

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