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Photography - HIRO 
Text - MINA


Photography - HIRO 
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“Forageは格式がありながら、ウェストコースト・スタイルのくつろいだ雰囲気の中でバンクーバーの土地の魅力を体験出来るレストランです。料理で使用する食材のルーツを説明できるレストランはあまり多くありませんが、私たちが提供する一皿は、食材と土地の魅力を最大限引き出しお客様に提供しています”

Forage Restaurant

 
 

Forage Restaurant

Craig Sung, the Executive Chef, and Mark Fitzgerald, General Manager

Credits

Photography - HIRO 
Interview - MINA

Forageはバンクーバーダウンタウンの一番賑やかなロブソン通りのThe West-Endと呼ばれる場所にあります。レストランが隣接するグリーンホテルとして知られるリステルホスピタリティーグループであり、バンクーバーを訪れる旅行者に「The Best of BC」(BC州を代表する最高の食事)を提供しています。Forageの始まりは遡ること10年前。まだFarm-to-Tableや自然採取(Foraging (フォレジング)と言う言葉が一般的ではない時代に、そのスタイルの先駆けとして始まりました。

 

Forageのメニューは大きく分けて、「LAND=大地」・「SOIL=土」・「SEA=海」から構成されてメニューを見るだけでBC州の自然豊かなマップの中を案内されているようです。提供される食事は全てカナダ料理で、その殆どはBC州で獲れた自然の恵みから料理されています。料理と同じく飲み物も全てローカルと言う徹底ぶりで、クラフトビール、ワイン、スピリッツ、など小規模ながら高品質の生産者を丁寧に選んでいます。そしてForageの一番の魅力は、彼らが長年築き上げて来た生産者との関わりではないでしょうか。Forageに仕入れを担う漁業者、農家、フォレジャー、そしてワイナリーに至るまでこの10年ほぼ変わらず、BC州で獲れる最高の恵みと地元の味を提供し続けています。もしバンクーバーを旅行者として訪れる予定があるのなら、Forageでのカナディアンダイニングを強くお勧めします。

 

また地元The West-Endのみならずバンクーバー近郊、カナダの他の州からも、Forageのカナディアン料理を楽しむ為に様々な人が訪れます。この場所が色々な人に愛される秘訣はハイエンドなサービスでありつつも、どこか親しげでアットホームな居心地の良さにあるからでしょう。

新しくエグゼクティブシェフに就任したCraig Sungさんは豊かな料理の才能を持ち主でありながらとても気さくな人柄です。熱いホスピタリティー精神で知られるアイルランド出身のGeneral ManagerのMark Fitzgeraldさんの温かいおもてなしがForageのダイニングルームを一層明るい雰囲気に盛り上げます。

VOICEでは、そんなCraigさんとMarkさんのお二人にForageの真髄と彼らが手がける新しいFarm-to-Tableのスタイルについてお話を伺いました。

 

VOICE (V):Forage以前の経歴を教えていただけますか。

 

Craig (C):私の料理への愛は高校時代に始まりました。家庭科の授業でクッキーやスイーツを作る楽しみを知ったことがきっかけで、その興味はすぐに深い情熱へと発展していきました。最終学年では、学校がACE ITプログラムを導入していた事もあり、通常の高校卒後資格と一緒にプロフェッショナル・クック1の資格を所得することができました。

学業を終え、1年の見習い期間を経て、私はハイアット リージェンシー・ バンクーバーのチームに加わりました。ここではさまざまな料理を探求し実験する機会とミシュランスターを獲得したシェフたちと共に働く経験を得る事ができました。彼らは惜しみなく自分たちの料理に対する哲学を共有してくれて、私の料理人としてのキャリアに大きな影響を与えてくれました。

ハイアット バンクーバーで7年間勤務した後、オーストラリアのハイアットに転勤する機会があり、そこで5年間を過ごしました。この経験は新しい料理の風景だけでなく、多様な伝統食の理解を深めるものでした。その後、2019年バンクーバーに戻り、私はForageの副料理長としてチームに加わりました。そしてForageの地元生産者や農家との関わり、豊富な地元食材にアクセスできることを通してカナダ料理への情熱が再燃しました。これら卓越したBC州産地元食材で最高の料理を作り出すことは、とても幸運な事だと思います。

 

Mark (M):私のホスピタリティと飲食業のキャリアは、故郷ダブリンで始まりました。地元には多くのバーがあり、私は15~16歳の頃からバーのフロアスタッフとして働き始め、旅行者はもちろんのこと、常連客や地元のお客様にサービスを提供し、その環境を心から楽しんでいました。バーでは友達よりもよく会う人もいれば、時にはそれが友情に発展することもありました。その時期から私のレストランとバーで働く情熱が芽生えたのだと思います。

その後、私は大学でイベントマネージメントのコースを専攻し、最終的には2年間ニュージーランドで高級カクテルバーのバー・マネージャーとして働きました。アイルランドに帰国後、私はアイリッシュパブの業務をさまざまな場所で展開させ、オペレーションマネージャーとしての仕事に携わりました。

2017年、ニューヨーク最大と知られるアイリッシュパブ「McGettigan’s」のオープニングを手伝った後、バンクーバーにやって来ました。2021年にForageチームに加わり、お客様とローカルの食を結ぶこの素晴らしい仕事にとても満足しています。Forageは過去10年間、持続可能でローカルに根付いたレストランとして存在してきました。バーのテーブルでリピーターのお客様がスタッフと交流するのを見るといつも心温まります。Forageのような場所は他になく、それがバンクーバーでのユニークな経験となっているのです。Robson Streetの賑やかな雰囲気にもかかわらず、Forageはウェストエンドにひっそりと佇んでおり、地元のファンやリピーターのお客様に恵まれています。

 

V:Forage流ファーム・トゥ・テーブルの哲学は何ですか?

 

C:私たちの意識は常に持続可能性と可能な限り地元生産者をサポートすることに向いています。当店のメニューは完全にカナダ産食材から構成されていて、できる限り地元BC州の農場から野菜を調達することに焦点を当てています。タンパク質はややハードルが高いですが、60%はBC州から、40%はカナダ国内から調達するよう努めています。

地元の食材で料理を作る上で最大の難題は、その季節性です。時折、使いたい食材の旬な時期がわずか2週間と短い場合は、すぐにまた新しいメニューを考えなければいけません。とてもチャレンジングではありますが、私たちにとって非常に楽しく、クリエイティブなことでもあります。

Forageで学んだことは、できるだけメニューを季節に合わせて考え、食材が最も美味しい時期を見極め活用しながら、それらを一年中メニューに取り込んで楽しめるように保存方法を見つけることです。たとえば、地元のフルーツは夏の間だけ入手可能なので、保存食やジャムを作って一年中メニューに活用できるようにします。同様に、にんにくの芽の旬は3ヶ月だけなので、乾燥させて一年中その独特の味わいを楽しめるようにしています。

M:Forageのビバレッジ・マネージャーであるピーター・サリバンは、Forageの価値観と完璧に調和する哲学を持っています。彼は2012年の創設以来、Forageチームの不可欠な一員です。ピーターの小規模かつローカルビジネスサポート志向の姿勢は、バーの取扱銘柄において明確に表れています。小規模な地元の蒸留所が大手企業に買収された場合、ピーターは他の小さなローカスビジネスにサポートを切り替えます。その結果、スピリッツ、ワイン、ビールはすべて100%地元銘柄のものであり、ローカルコミュニティをサポートする姿勢を表しています。最近では提供するスピリッツメニューにグランビルアイランドのリバティ蒸留所からのウォッカが加わりました。ピーターは約50本の地元ワインを慎重にセレクトし、約15~20のワイナリーと契約を結んでいます。さらに、二酸化炭素排出を最小限に抑えるためにワインをタップで提供したりと、最大限環境へ配慮した取り組みを行っています。

V:現在、あなたが最も好んで扱っている地元の食材は何ですか?

 

C:私はカボチャとサンチョーク(菊芋)が好きです。今季のメニューにはサンチョークのクレームブリュレがありこれは特におすすめです!実にユニークな一品で、カスタードのような滑らかな食感を保っています。サンチョークからの美味しいナッツのような余韻と、その上にはパリパリとしたサンチョークチップとシトラス風味のマドレーヌが添えられています。皆さんに楽しんでいただける味の体験だと思います。

 

M:クレイグが昨日(10月27日現在)新しい秋/冬メニューを決めたのですが、季節の地元食材の魅力が沢山詰まったメニューに仕上がったと思います。クレイグが初めて私にサンチョークのクレームブリュレを紹介したとき、正直なところ、どんな味がするのか疑問に思いました。しかし、一口食べてみると、サンチョークがここまで変化するのかと驚きでした。目隠しをしていれば、これをクラシックなクレームブリュレと区別するのは難しいでしょう。本当にすばらしく美味しいです。またクレイグのメニューに合わせて、季節のカクテルリストも導入し、ダイニングエクスペリエンスをより一層充実させています。

 

V:料理を作る際のインスピレーションはどこから来ていますか?

 

C:私のインスピレーションの源は、その時々の食材から生まれます。地元農家が美しいラディッシュなど持ち込まれるたびに、それら特定の食材を際立たせる料理を創り出す創造性が湧いてきます。私の料理の基礎はクラシックなフレンチ・イタリアン料理ですが、オーストラリアでの経験が私の料理にアジアの影響をもたらしました。

シェフという職業は、各々が独自の歴史と経験をキッチンにもたらし、オリジナリティーを料理で表現する仕事だと感じています。同じ料理を5人の異なるシェフが作ったとしても、きっと全く異なる5つの料理が出来上がるでしょう。

 

V:食はあなたにとってどのような意味を持っていますか?

 

C:私にとって食は単なる栄養補給の手段ではありません。私は食べ物が大好きで料理の世界には無限の可能性を感じています。結局のところ、誰もが食を必要としていますし、生命そのものと言えるでしょう。

M:食は私にとって経験そのものです。日常的に必要とするものですが、それにまつわる経験の多様性によって違った感動が生まれます。とてもアットホームなアイルランドで育った私は、食べ物が人々を結びつける魅力を目の当たりにしてきました。祝祭日のお祝いでも普通の日でも食事を共有することで自然と会話が弾み、コミュニケーションが活性化されます。アルコールとは異なり、食べ物には年齢の制限がありません。2歳でも50歳でも、皆で座って食事を楽しむことができますからね。

 

V:コミュニティでのあなた達の役割を教えて頂けますか?

 

M:私たちはウエストエンドのコミュニティの中で確立された重要な役割を10年以上にわたり果たしています。例えば、この活気ある地域にはLGBTQコミュニティがあり、弊社のレストランの前に掲げられたForageの看板は、これら個々に対する揺るぎないサポートを示しています。

地元の料理の領域では、ウェストエンドで数少ないファーム・トゥ・テーブル・レストランの一つであることを誇りに思っています。多くの地元の方々が私たちを評価し、来店し、私たちの提供する食事を選んでくれることで、Forageは地元の食のコミュニティの不可欠な一部となっています。

 

V:初めてForageを訪れる方におすすめの料理をいくつかご紹介いただけますか?

 

C:もし今の私のおすすめを尋ねられるなら、最初にはクリッパーズオーガニックファームから仕入れた美しいビーツを使用したビートルートサラダをお勧めします。メインコースに関しては、カッターランチのバークシャーポークが外せない選択です。干し草で燻製にした骨つきポークチョップで、子玉ねぎ、キャベツのグリル、ホースラディッシュクリームとポークジュレーが添えられています。

 

M:当店の定番メニューの一つであるニョッキは、季節ごとに変化しますが、特にケネベックポテトのニョッキとカボチャの組み合わせをお試しいただくことをお勧めします。デザートには、サンチョークのクレームブリュレをぜひお見逃しなく!

また数週間後には「Best of BC」メニューを発表する予定です。これはアーリーバード(早い時間帯の来客者)向けのメニューで、定額で3コースの食事が楽しめます。これはシェフの創作を堪能し、お皿に盛り込まれたBC州の最高の味を体験する絶好の機会です。このメニューは2週間ごとに更新する予定なので、ご来店いただく度に新しいメニューを発見する楽しみができると思います。近日中に登場する当店名物ホリデー・ターキー・テイクアウトにもご期待ください!

 
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Forage Vancouver

Craig Sung and Mark Fitzgerald

 

Forage connects diners to local fishers, foragers and farmers. Our menu is – first and foremost – delicious, but also reflective of our uncompromising commitment to local ingredients and building community through shared plates.

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