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「この料理本は、BC沿岸にある島のコミュニティでの生活と、その地域で楽しめる料理やレシピを紹介しています。海と森に依存する小さなコミュニティでの暮らしがどのようなものか、BC沿岸全体を代表してその魅力を伝えています。コミュニティの一員としての生活の様子や、自然との共生が息づく地域の風景が、ページをめくるごとに浮かび上がります。」

- Jeanette Taylor

 

Jeanette Taylor, Contributor of Island Cookery III

Credits

Photography - HIRO 
Interview - MINA

Island Cookery III

クアドラ島の四季折々の風景と食を語る一冊、『A Taste of Life on Quadra Island, Island Cookery III』。この本の主要な貢献者であり、40年以上の島の住人であるジャネット・テイラーさんとの会話は、まるで島の歴史の本をめくるような体験でした。ジャネットはビクトリアで育ち、20代の初めに北米各地から集まったバック・トゥ・ザ・ランダーズと共にクアドラ島に移住しました。彼女と夫のジェリー・コートはこの地に家を建て、町に通勤する日々を送りました。彼女はビクトリアのBCアーカイブやキャンベルリバー博物館での勤務を経て、島の歴史に深い知識を持つ人物です。

キャンベルリバー博物館での勤務中、ジャネットは2人の高齢女性から、1894年に建てられた古いログハウスが売りに出されているとの話を聞きました。その家は状態が悪く、取り壊される可能性が高いと言われていました。ジャネットは最初、アーカイブのために写真を撮るつもりでその家に足を踏み入れましたが、その瞬間、家に一目惚れしました。それ以来35年間、ジャネットとジェリーはその家で暮らし続けています。10年前に退職したジャネットは、その後執筆に専念し、これまでに5冊の本を出版しました。最新作『Sheltering in the Backrush: A History of Twin Islands』は、2024年にUBC図書館から学術著作賞であるバジル・スチュアート・スタッブス賞を受賞しました。また、友人と共に執筆クラスを開いたり、文化遺産ツアーを主催するなど、多岐にわたる活動を展開しています。

『A Taste of Life on Quadra Island』は、クアドラ島のChildren’s Center(デイケア)のための資金調達プロジェクトとして始まりましたが、プロジェクトはそれ以上のものとなり、本作りに協力した島の人々の絆も深まりました。ページをめくるたびに展開されるパーソナルストーリーや島の歴史、そして心温まるレシピは、読者に深い感動をもたらします。もしクアドラ島を訪れる機会があれば、ぜひ一冊手に取ってみてください。Children’s Centerを支援するだけでなく、クアドラ島の魅力を家に持ち帰り、素晴らしい料理を試す機会が得られます。運が良ければ、ジャネットによる文化遺産ツアーを予約することもできるかもしれません。その際には、クアドラ島での時間がより豊かに感じられるでしょう。ジャネットが語るように、この魅力的な料理本は「小さな場所に大きな物語がある」ことを伝えています。

 

VOICE (V): 料理本のアイデアはどのようにして生まれたのですか?

 

Jeanette (J): 小さなコミュニティで何かを実現したいなら、自分たちで動かなければなりません。パンデミックの影響で、Quadra Children’s Center(デイケア)は大きな課題に直面していました。センターの理事会は、ほぼ6週間ごとに資金集めをして経費を賄っていました。以前、別の子供のケア組織が2冊の料理本を成功裏に出版していたことがあり、現在のChildren’s Centerも試してみることに決めました。

島民にレシピを募集する通知を出すと、私は以前Children’s Centerの理事会に所属していたことや、子供たちが小さい頃に通っていたこともあって、ぜひ参加したいと思いました。いくつかのレシピを提出した際、手伝いが必要かどうか尋ねて、委員会に参加することになりました。最初のレシピ募集は2020年11月に行われ、2021年12月末には本が完成しました。出版プロジェクトとしては驚異的な速さです。

13か月足らずの間に、すべてのレシピをテストし、掲載するレシピを決定し、写真撮影や人々と食べ物に関するストーリーを作成する必要がありました。多くの人々が関わりました。350のレシピが集まり、80人がテストし、21人のライターと22人の写真家が関わり、過去に島に住んでいたブックデザイナーを雇いました。写真撮影に使用された小道具も含め、すべて地元のものを扱いました。

昨年のクリスマス直前には、この本は84,000ドルの売り上げを記録し、ほとんどの制作費用はスポンサーによって賄われたため、集められたお金はすべてChildren’s Centerに寄付されました。センターは苦境から抜け出し、余裕ができて、快適さを増すためにヒートポンプを設置することもできました。この本が大成功を収めたことに、彼らは非常に感謝しています。

V: 提出されたレシピには何か基準がありましたか?

 

J: このプロジェクトでは、BCコーストに密接に関わるローカルな食材であることが必須でした。すべてが新鮮で、季節ごとに手に入るもので、手作りであることも条件でした。もう一つの焦点は、章を「海」「森」「庭」「農場」「果樹園」に分け、それぞれの場所で人々が働いたり、庭仕事をしたり、採集したりする過程から材料を調達することでした。

本の最後の章では、キャンプやカヤック旅行に適した食べ物を含めると楽しいだろうと考えました。ここでは多くの人がアウトドアを楽しむためです。また、Quadraには多くの食通がいるため、多様性を確保するために、一人当たり4つのレシピに制限しました。

 

V: クアドラ島は自給自足だと思いますか?

 

J: ビクトリアやバンクーバーのような都市よりもはるかに自給自足です。夫のジェリーと私は、2つの庭で食べ物を育て、肉と卵のために鶏も飼っています。

 

V: 現在のクアドラ島のコミュニティは、40年前と比べてどう変わりましたか?

 

J: クアドラ島では、トレイルの整備やその他の活動を通じて、さまざまな形でコミュニティの参加があります。このため、クアドラ島は活気に満ちた住みやすい場所となっており、この側面は変わりません。都市部では自治体がサービスを提供し、住民が料金を支払うのに対して、クアドラ島ではヨガクラスや映画の夜などの活動の企画はコミュニティのイニシアティブに依存しています。そのため、私たちは積極的にコミュニティの生活に参加しています。また、料理本プロジェクトにおいても、協力をお願いした際に、ほとんどの人が快く手伝ってくれました。

V: どのような人々にこの本を手に取ってもらいたいですか?

 

J: 新鮮な地元の食材で料理をするのが好きな人々や、コーストを訪れた際にこの地での生活の思い出を持ち帰りたい人々のために、この本を作りました。食べ物には多くの物語があり、社会的な活動も豊富です。そのため、ここでは食通とのインタビューや、昔の料理法や保存方法についての小さな歴史の話も含めました。ほとんどの島民が複数冊購入しており、「自分たちの」本を非常に誇りに思っています。

 

V: 料理本の中でお気に入りのレシピは何ですか?

 

J: 本の中のほとんどのレシピを試しました。スポット・プラウン(ボタンエビ)が旬の時に、娘がアスパラガス、オイスターマッシュルーム、スポット・プラウンとニョッキの料理(キャスリン・マンリーさんによるレシピ:57ページ)を作ってくれました。とても美味しい料理でした。本の表紙を飾ったシアード・アルバコア・ツナ(ピラーとブルース・マルティネリさんによるレシピ:29ページ、タンタラムNo.1)は、みりんといくつかのソースで驚くほど簡単に作れます。これもとても美味しいです。ピクニック用のレシピでは、ハニーマスタードハムとチーズのバンズ(ジャネットによるレシピ:127ページ)が一番のお気に入りです。翌日でも美味しいんですよ!

 

V: クアドラ島で一番好きなところは何ですか?

 

J: 緊密で関係の深いコミュニティの一員であることをとても楽しんでいます。海の近くに住むことは、私にとって大切なことです。時折カヤックを楽しみ、数日間カヤックで島のいろいろなビーチにキャンプに出かけるのが大好きです。それは本当に魂をリフレッシュさせてくれます。

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# VOICE 170

Island Cookery III

Jeanette Taylor, Contributor

In the fall of 2020, the Quadra Children’s Centre put out a request to submit recipes for Island Cookery III to raise funds for facility upgrades. What came back was nothing short of magic. Along with the many delicious, unique, and colourful recipes, came stories. Stories of the history of our island, of its residents, and culture. It dawned on us that, along with putting together a compilation of Quadra Island cuisine, we are sharing local lore through our unifying passion for food.

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